<ご報告>5月17日 (日) 日本建築医学協会 設立20周年記念講演会を開催致しました(後半)
お昼休みのランチョンセミナーでは、昆幹事長から
「幸福になる家 不幸になる家」
というテーマでお話して頂きました。

昆幹事長
訳あり物件を再生する事業をされる中で、不幸になる家には共通点があるといいます。
自宅を何件も住み替えてきたご自身の経験も交えながら、どのような家が不幸を招いてしまうのか、また、建築医学によってどのように
幸福になる家に再生できるのか、様々な事例を用いてお話して下さいました。
5/17講演会の午前の部に引き続き、午後の部では、
(社)空気環境改善研究所の石坂閣啓先生
(社)日本建築医学協会の松永理事長
にご講演頂きました。
石坂閣啓先生からは、
「空気環境が健康をつくる~令和特有のシックハウスとは?~」
というテーマにご講演頂きました。

石坂閣啓先生
講演ではまず、
「私たちの身体、住まい、そして地球環境は空気によってつながっている」
という視点が示されました。
私たちは日々、食べ物や飲み物以上に多くの空気を体内に取り込んでおり、その量は1日約2万リットルにも及びます。
しかし、食べ物は自分で選ぶことができても、空気はその場にあるものを吸うしかありません。
そのため、住環境における空気の質は健康に大きな影響を与える重要な要素であるということです。
また、レイチェル・カーソンの著書『センス・オブ・ワンダー』を紹介しながら、自然の変化を感じる感性の大切さについても語られました。

石坂閣啓先生
講演の中心となったのは、シックハウス問題の歴史と現在の課題です。
1980年代以降、省エネルギー化の流れの中で住宅の高気密・高断熱化が進み、同時に石油系建材や接着剤などが多用されるようになりました。その結果、住宅内に化学物質が蓄積し、頭痛や倦怠感などの健康被害を引き起こす「シックハウス症候群」が社会問題となりました。
その後、ホルムアルデヒド規制や24時間換気の義務化などの対策が進み、従来型のシックハウスは大幅に改善されました。
しかし、問題がなくなったわけではありません。現在は規制対象物質の代わりとなる新たな化学物質が使用されており、さらに住宅の高気密化が進んだことで、生活用品や家具、香り付き製品などから発生する成分も室内に残りやすくなっています。これが「令和型シックハウス」の課題です。
こうした状況を把握するため、石坂先生は124種類以上の化学物質を分析できる「エアみる法」を開発され、空気中に
含まれる成分を見える化することで、住宅の空気質を客観的に評価しています。
実際の測定事例では、同じ新築住宅でも使用する建材によって空気中の成分が大きく異なることが紹介されました。

石坂閣啓先生
講演の最後に石坂先生は、
「建材選びは空気選びであり、空気選びは健康選びである」
と強調されました。
高性能住宅が普及する時代だからこそ、断熱性能や省エネ性能だけでなく、空気の質や自然との調和にも目を向けることが重要です。
住まい方と住環境を見直しながら、真に健康で快適な暮らしを実現することの大切さを学ぶ機会となりました。
当協会の松永理事長からは、
「建築医学×ビジネス×健康」
というテーマにご講演頂きました。
住環境やオフィス環境が健康だけでなく、仕事の成果や人生そのものにも大きな影響を与えるという建築医学の考え方についてお話されました。

松永理事長
ビジネスで成功するためには集中力が重要であり、その集中力は能力だけではなく、環境や睡眠の質にも大きく左右されます。
また、交通量の多い道路沿いや、空気環境の悪い場所では睡眠の質が低下し、うつ病や不安障害のリスクも高まることから、「どこに住むか」が健康や人生に大きく関わるということでした。
住宅は単に生活するための場所ではなく、人の思考や人格を育てる場でもあります。
家族が集まるリビングやダイニングの環境、玄関から最初に目に入る景色、生活動線など、日常生活の中の環境が思考や行動習慣を形成し、それが人生に影響を与えていきます。

松永理事長
また、「人が家をつくるが、家が人をつくる」という言葉を通して、住環境が人間形成に果たす役割についてもお話されました。
室内に観葉植物や緑を取り入れることや、自然を身近に感じられる環境づくりは、心を穏やかにし、生活の質の向上につながります。
オフィス環境については、曲線を取り入れたレイアウトや色彩、植物の配置などによって、社員のストレス軽減や創造性、意欲の向上が
期待できることが紹介されました。
建物は単なる器ではなく、人の感情や行動、組織全体に影響を与える重要な要素であるということです。

松永理事長
住まいやオフィスを「明るく、心地よい空間」に整えることが、健康だけでなく、人間関係や仕事、人生そのものをより
豊かなものにするということで、身近な住環境を見直すことの大切さを改めて実感させられる講演となりました。
その後のシンポジウムでは、ご講演頂いた4人の先生方にご登壇頂きました。
参加者からは様々な質問が投げかけられ、それに対して講師の先生方が丁寧に答えてくださりました。


また、同じ質問に対しても講師の先生方から、それぞれの専門分野からの意見も聞くことができ、講演内容がより深まり、参加者は新たな視点を得ることができたのではないかと思います。

閉会挨拶:本山理事
参加者からの皆様からは、
「とても有意義な時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました!!」
「20周年にふさわしい内容でした。先生方お一人お一人の話またじっくりお聞きしたいと思いました。」
「ロケーションもとても良く、綺麗な会場で居心地が良かったです」
「至れり尽くせり、大満足でした。」
など多くの喜びの声を頂きました。
協賛会社























