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2024-11-05

<ご報告>10月5日 建築医学講演会&シンポジウムを開催致しました 

10月5日、東京大学 伊藤国際学術研究センターにて、
建築医学講演会&シンポジウムを開催致しました。
当日は雨にも関わらず、多くの参加者が来場して下さいました。

開会挨拶では、松永理事長より、
18年前の日本建築医学協会設立講演会について言及されました。
そして、名誉顧問のアンドリューワイル博士や
会長の帯津良一先生が、建築医学の重要性について
当時どのようにお話されていたか、ご紹介されました。

開会挨拶 松永修岳理事長

講演の部では、空間デザイン心理学協会の高原美由紀先生と、
堀田カーペット株式会社の堀田将矢先生にご講演頂きました。

高原先生からは、
「幸せな人生は住まいが9割」
というテーマでお話して頂きました。

高原美由紀 先生

まずは、機能的で美しい住まいの落とし穴として、
人生の転機となった27年前のリフォームについてお話されました。

お客様の要望通り、収納のたくさんある住まいをつくり、
喜んで頂けたものの、1年後にお会いすると
収納があっても、片づけられない自分を責めていたとのこと。

そこから、機能的で美しい住まいや、お客様の要望に応えることが、
必ずしも良いとは限らないことを知り、
建築以外の人間に関わるあらゆる分野を研究され、
幸せになる空間づくりの法則を体系化されました。

お客様の本当のニーズを引き出すカウンセリング、
お客様の特性診断、そこから科学的根拠に基づいて
お客様に合った空間を提案するというプロセスについて
説明して下さいました。

高原美由紀 先生

具体的な例としては、夫や子供が料理を
手伝ってくれるキッチンのしかけや、
自己肯定感が高まる居場所のつくり方について、
解説して下さいました。

堀田将矢先生からは
CARPET LIFE ~カーペットで健康で快適な生活をつくる~「」
というテーマでお話して頂きました。

堀田将矢 先生

カーペットには3つの側面があり、
1作り方、2素材、3密度の3つの側面から
カーペットの特徴や良し悪しを判断することができ、
そして、それらのバランスや使用目的が非常に重要ということでした。

1つめの作り方としては、
「織る」「刺す」「編む」「不織」の4種類について挙げられ、
住宅のカーペットとしては「織る」か「刺す」が向き、
構造的には「織る」が耐久性が一番良いということでした。

2つ目の素材としては、
「ウール」「ナイロン」「アクリル」「pp」「ポリエステル」について
それぞれの特徴を比較しながら説明して下さいました。
用途によって適不適はあるものの、
住宅において良い素材を追究すると、
吸湿性や防音性、防汚性に優れるウールに行き着きます。

3つ目の密度に関しては、一番大切で、織りの密度だけでは判断できず、
実際に触って感触を確かめることで初めて分かるということでした。

堀田将矢 先生

カーペットはダニの温床というネガティブなイメージを持ちやすいですが、
ダニの数で言えば、実際は畳やふとんの方が圧倒的に多く、
ハウスダストの舞い上がり量もフローリングの10分の1であり、
実際はそうでないということを説明して下さいました。

講演の中では様々なデータを交えてお話されましたが、
カーペットの暮らしの良さについて一生懸命伝える
堀田様の情熱が伝わってくるご講演でした。

その後のシンポジウムでは、お二人の先生に加えて、
松永理事長とトータルヘルス研究所の落合正浩先生に登壇して頂き、
参加者からの質問を交えて、今回の講演内容について、
様々な角度から内容を深めていきました。

建築医学シンポジウム

また、質問者には堀田様からカーペットの書籍のプレゼントという、
サプライズもあり、たくさんの質問で盛り上がりました。

建築医学シンポジウム

閉会挨拶 大塚泰子理事

参加者の皆様からは
「毎回おもしろいテーマだと思う」
「新たな学びが多くありました」
「講演の組み立て方がすばらしかった」
「はじめて空間心理学を知りました。とても深い内容で驚きました」
「カーペットを生活にぜひ取り入れたい、と思わせる内容でした」
などのコメントを頂きました。

誠にありがとうございました。

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