<ご報告>6月11日 「人間関係が良くなる 住環境特別大講演会」を開催しました
6月11日、一橋大学の学術総合センターにて、住環境特別大講演会を開催しました。
今回は前回に引き続き、大変反響のあった「人間関係」をテーマに、
医師の落合正浩先生、建築家の大塚泰子先生、
当協会の松永理事長の3人の先生方にご講演頂きました。
落合正浩先生からは
「トータルヘルス研究からみる幸福な人間関係」
というテーマでご講演頂きました。
幸福とは何か?という問いから始まり、
まず「幸」や「福」の字源から説明してくださいました。
「幸」とは「手械(てかせ)や死から免れる」という意味があるそうです。
また、「仕合せ」という意味でもあり、
「仕」は「人」と「+」「-」の組み合わせである形から、
陰陽融合とも解釈できるとのこと。
字源を考えると、「幸福な人間関係」よりも
「しあわせな人本来の関係」が表現的には
良いのではないかと提案して下さいました。
現代は孤独感を感じる人が半数近くいる状態であり、
これからの人間関係を考える際に重要な、
「全体一体の実態つながり仮説」について説明して下さいました。
健康は脳が99%決める、ということで、
良い人間関係を実現するためには
脳を良い状態に保つ行動、例えば楽眠行動が重要ということでした。
朝9時までに脳に光を入れ、夜9時からは光を減らすという99法のご紹介や、
LEDライトの問題点についても実験データを交えて指摘して下さいました。
大塚泰子先生からは
「幸福感を感じる家づくり7つのルール」
というテーマでご講演頂きました。
最初に住環境の重要性について、
心拍の波動の共鳴の話からして下さいました。
心臓が発するポジティブな感情の電磁波は
脳だけでなく身体の細胞全てをシンクロさせるということで、
いかに個人の感情を整えることが重要か、
ということを実験データを交えて説明して下さいました。
その上で、家はその感情を整える最高のアイテムである、ということでした。
実際の家づくりのルールの話では
7つのテーマに分けて、図や写真を交えて具体的に説明してくださいました。
自然と人と家を調和させる、
五感に響く美しく楽しいデザイン、
機能的な動線計画など、
女性ならではの視点や切り口が、
参加者の興味を惹きつけていました。
無駄のない家事動により有効的に時間を使える、
ということで、バスルームとファミリークローゼット、
ベランダが一体化したレイアウトは大変印象深いものでした。
また、動線も行き止まりがなく、周遊できるようにすることで、
コミュニケーションもうまくいくとのことです。
最後は、いい家づくりのためのスタートは片付けからということで、
何よりもまずは断捨離、というアドバイスで締めくくられました。
松永修岳理事長からは
「住環境が人間関係をつくり、人間関係が幸福な人生を形成する」
というテーマでご講演頂きました。
人間関係の悪い人の一番の特徴は「すぐ怒る人」である、
ということから始まり、人生で1番優先するべきことは
お金やもの、肩書きではなく、心の安定や信頼関係、
人間関係であるということをお話されました。
心と考え方、物事の受け止め方が人間関係をつくり、
人間関係の良い人が幸福な人生を
生きることができる、ということでした。
建築医学は環境をつかって人生を良くする
環境科学であり、住環境・職場環境は
人間関係に大きな影響を与えているのです。
また、家を成長させる、という考え方にも触れられました。
家を建てたときが完成と思うのは間違いであり、
何年も経過すれば家の氣の流れが悪くなります。
家にはツボと同じで良い刺激が必要とのことで、
住みながらリフォームしたり住みやすくすることで、
家が成長し、人間関係も成長するようになるとのことでした。
参加者からは
「ご研究が大変興味深くユーモアを交えた先生の講演に引き込まれました」
「『家は感情を整える最高のアイテム』に感動しました。」
「心身が安らぐ環境づくりの大切さが具体的に示され理解しやすかったです」
「どういう風にしたら良いのかとても参考になりました」
などの声を頂きました。
ありがとうございました。