toggle
2025-04-30

<ご報告> 4月5日(土) 建築医学講演会&シンポジウムを開催しました

4月5日、東京大学 伊藤国際学術研究センターにて、
建築医学講演会&シンポジウムを開催致しました。
当日は天気も良く、会場から見える桜や自然の景色がとても綺麗でした。

司会:小神事務局長

開会挨拶では、松永理事長が建築医学とは何かについて、お話されました。
建築医学とは一言でいうと、情報環境学であると。
我々を取り巻く環境(情報)は、体に影響を与えているだけでなく、
心にも影響を与え、五感を超えた世界も関与しています。
それゆえ、どこに住んでいても良いわけではありません。
どこに住むべきか、という話の中では、
南海トラフ地震についても言及されました。

開会挨拶:松永理事長

講演の部では、トータルヘルス研究所の落合正浩先生と、
日本遮熱株式会社の野口修平先生にご講演頂きました。

落合先生からは、
「トータルヘルス研究からみる防災」
というテーマでお話して頂きました。

大学卒業後に入局された産婦人科で、
病気はつくられる、ということが分かり、
3年後海外に飛び統合医学を研究された落合先生は
トータルヘルス医学システムを開発されました。

それは脳進化理論に基づき、
地球全体的な脳進化(量的増加と質的向上)が
個々の脳力にも関係してくるという、
壮大で奥の深さを感じさせるものです.

最初に脳の疲労をとる「首もぞ」体操と、
健康的な座り方について、その場で指導して頂きました。

講演:落合正浩先生

「災害とは何か?」という問いに対する最もシンプルな答は「名(な)」である、
ということから始められ、まず言葉に囚われてはいけないこと、
その上で語源を遡って理解する大切さを説かれました。

「今までの生活の進行を邪魔して止める物事」が災害ということで、
災害も天災と厶災(しさい)に分類して説明されました。
あらゆる災害は脳進化の素になっているというお話も、
災害に対する新たな認識や気づきを与えて下さいました。

講演:落合正浩先生

野口修平先生からは
「エアコンなしでも快適に過ごせる遮熱健康住宅とは?」
というテーマでお話して頂きました。

遮熱に関して20年以上研究され、これまで企業相手にお仕事をされ、
住宅への要望の高まりから、遮熱健康住宅にも取り組み始めたという野口先生。

暑いのは気温ではなく輻射熱であるということで、
遮熱材を使って、4度~35度(猛暑日)の間、
エアコンや暖房なしでも快適に過ごせる住宅を造られました。
しかも断熱材やエネルギーも不要とのことです。

講演:野口修平先生

まず、輻射熱(ふくしゃねつ)とは何か、について説明されました。
25度の夏日は暑く、39度の風呂はぬるいのは何故か?
気温は同じでも日向と日陰で違うのは何故か?
そのような問いから、輻射熱のパワーや
影響力の大きさについてお話されました。

建物を移動する熱の75%は輻射熱です。
それゆえ、輻射熱をコントロールすることが大切であり、
その輻射熱を阻止するには、遮熱材が必要になってきます。

遮熱材をずっと研究されてきた野口先生でも、
20年かけてやっと分かったこともあるということで、
遮熱材や遮熱工法についてのお話から、
奥の深さが感じられました。

講演:野口修平先生

その後のシンポジウムでは、お二人の先生に加えて、
松永理事長に登壇して頂き、参加者からの質問を交えて、
今回の講演内容について、
様々な角度から内容を深めていきました。

野口先生からは、遮熱工法で使う部材や
遮熱の体感実験など、実際に見せていただきました。
形状記憶合金を使った通気口が、
温度の違いによって開閉する様子は、非常に印象的でした。

シンポジウム:松永理事長、野口先生、落合先生

また、ヒーターによって暖めた部材が
遮熱材があるかないかでどう変わるかということを、
参加者も体感して頂きました。

シンポジウム:松永理事長、野口先生、落合先生

落合先生や松永理事長からも
野口先生に対して内容を掘り下げた質問があり、
議論は大変盛り上がりました。

閉会挨拶:宇佐美副理事長

その後の懇親会では、講師の先生方そして参加者様同士の親睦を深めて頂きました。

懇親会の様子

参加者の皆様からは
「とても新鮮な気持ちで防災を改めて考えました」
「様々な視点から印象に残るお話ばかりでした」
「こういうお話はYouTubeでもあまりやっていない内容なので出席してよかったです」
「各個人がまずは始められることのご提案もあり素晴らしいと思いました」
などのコメントを頂きました。

誠にありがとうございました。

 

協賛会社

 

 

 

 

関連記事